自転車を穂高川に向けて走らせる。
久しぶりに自転車に乗ったなぁ。
穂高川の川べりにあるという早春賦の記念碑を目指して、ゆるやかな下りの一本道を自転車で行く。
日向は暖かい陽気でしたが、日陰に入ると風が程よく冷たくて、一層空気の美味しさを感じます。
今のうちに東京仕様だった身体の空気を隅々まで全部入れ換えるのだ、そんな気持ちで深呼吸。
自転車のカゴにiPhoneを入れ、BGMをかけてみよう。もちろん早春賦。
~♪
この土地でこのメロディは作られたんだなぁ。100年前のここで生まれたと思うとなんだか不思議な気持ち。
そして下り坂の右手には何やら田んぼが。
葉っぱだらけだ、なんだろう。
あ、もしかして!
ここに来るまで穂高駅前やあちこちで、わさびが売られているのを目にしていました。
これ、わさびなんじゃないのか。
そんなことを思っていると坂が終わり道の突き当たりに。
自転車で勢い良く曲がるとそこには、穂高川の清流と見事な桜が広がっていた。
それはまさしく早春賦のイメージそのままだった。
陽の当たる土手の風はとても優しい香りがして、安曇野にようこそ、よく来てくれたね、そんな歓迎を受けているような温かい気持ちになって、自転車をのんびりこいだ。
川の水が遠目からでも澄んでいるのがわかる。自然と呼吸が深くなります。
少し行くと早春賦の記念碑が見えてきました。
曲の説明と歌詞が書いてあり、ボタンがついている。記念碑に備え付けられているボタンを押すと、オルゴールの音が流れる仕組みだ。
早春賦のメロディを聴きながらアルプス山脈、川、空、土手の人々、桜…
いろんなものが目に入ってくる。
間違って降り立った穂高駅ではあったが、名曲の生まれた土地を体全体で味わった。
北アルプスの眺め
後に帰ってから人に言われたけど、「来るべくして来た」。こころからそう思った。
さて駅方面に戻るか。^_^
土手沿いに広がる田んぼは、やはりわさび田だった。おじさんおばさんが田んぼでせっせと仕事をしている。
気持ちの開放感から声をかけてみようかと思ったけど、そこまでの勇気は出ず笑、感謝を込めて見守った。
街に戻ると、お昼ご飯を食べて松本に行こうと思い、自転車屋さんオススメの蕎麦屋に入る事に。
何蕎麦がおすすめか聞いたら、自転車屋さんにこう言われた。
「シンプルにざる。あと、大盛りは絶対頼んじゃダメ。笑」
いざ行って普通盛りを注文してみると、納得。
なるほど、普通盛りでも東京の大盛り以上ある。笑
ビールも瓶を頼んだら大瓶だ!わさびも美味しい。。。(*^_^*)
あまり寝ていなかったからか、アルコールがグゥッと回りました。
さて、ついに穂高駅を出る頃に。当初の予定は11時過ぎには出発しているはずでしたが、気がつけば15時に。笑
名曲と出逢ったらそれも仕方がない。
悠然と佇む常念岳に別れを告げていざ松本へ。
僕の旅はまだ始まったばかりなのだ…。
(旅の開始から8時間経過。)